31.森首相の「支那事変」「大東亜戦争」

  南アフリカ訪問中の森首相、あいかわらずの、軽いおしゃべりぶりである。
そのなかで、「支那事変」、「大東亜戦争」という言葉を使ってひと騒ぎになっている。

  この発言は、それほど深刻なものではない。
石原都知事が「支那」という言葉を使ったのは、現代の問題としていったのに対して、
森首相の方は自分が生まれた年のできごとを、当時使われた呼び名で
説明したのだから、不適切さはだいぶ違う。
しかし、一国の首相が、何も、問題になりそうなボキャブラリーを使わなくても
よさそうなものであり、政治的には、信じがたいボーンヘッドということである。

  これにさっそくかみついたのが鳩山民主党党首だが、
「中国から反発をかう」と非難したが、こちらもお粗末。
中国がなにかいうことを催促しているようなものだ。
このところ、中国側でも歴史認識であまり日本側を追い込むことは得策でないという
気運になっているところへ、あえて、時計の針を戻すような失策である。

  少なくとも、野党第一党の党首、総理を狙うひとらしからぬ発言だと思う。
森首相の方は、ケアレスミスだが、鳩山氏の方は確信犯だから余計に困る。
さらにいえば、鳩山氏の「改憲発言」のほうが、よほど、日中関係を悪くすると思うのだが・・

  「支那」という言葉は、別に差別用語ではない。日本のことを「ジャパン」というのは、
「ニッポン」という言葉がなまっただけだが、英語のチャイナは「支那」そのものである。
そういう意味で、支那はダメでチャイナはかまわないとはいうのはおかしいのだが、
中国側が中国というような言い方をして欲しいというので、「そのようにしましょう」と
日本国政府が国内で行政指導をしているということである。
その意味で、支那という言葉を使ったからといって、
中国政府からとやかくいわれる筋合いではない。
もし、いわれれば、「どうしてチャイナはいいのですか?
白人コンプレックスですか?」とでも言い返せばよい。

  ただ、相手が不快に思うならやめたほうがよいし、まして、石原知事のように
「孫文が発明した言葉」とか突拍子もない間違いをしたり、
「三国人」という本当の意味で差別的ニュアンスの言葉を、
しかも、犯罪と結びつけて使うのは論外ということになる。

  そういうこともいろいろ含めて、森発言が総理としての資質を疑わせるということは
確かだし、しかし、その「失言」を必要以上に日中両国民にとって不愉快な論争を
引き起こすようなかたちで利用するのもよくないということだろう。

*ちなみに、放送用語では、「南シナ海」と「東シナ海」はセーフ。
「支那そば」は、商品名、屋号ならかまわないということらしい。

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