41.上海蟹は世界一かどうかの論争

  上海蟹は、かなり毀誉褒貶の激しい食材である。
秋になると、高級中華料理屋は、続々とこの蟹をメニューに載せる。
しかし、たいていの人が「値段ほどでない」と感じる。

  しかし、条件さえ良ければ、やはり、上海蟹こそ世界一の蟹だと納得させられる。
あるとき、台湾の経済文化代表部所長(台湾は大使館を置いていないから
事実上の大使である)にごちそうになった上海蟹は、まことに甘く芳醇なことこのうえなく、
やはり濃厚な香りが立つクリーミーなカニ味噌との組み合わせもすばらしく、
出席者全員、声もなくカニとだまって格闘することに没頭した。

  どうして、いつもの味と違うのか考えてみると、上海から空輸されたあと、
たいていの料理屋ではいつ売れるか分からないから何日も生きたまま放置される。
その間にやせてしまうのである。

  そうなると、本当においしい上海蟹に巡り会うとすれば、
店が責任を持って最良の状態のもの出してくれるコネでもあるか、
あるいは、回転のいい専門店に行くしかない。

  そんななかで、東京の神田にある「新世界菜館」というところは、
上海蟹と詔興酒については定評があり、
上海駐在の商社マンたちが年に一度集まる同窓会は、
必ず、蟹の季節にこの店で開いて上海を偲ぶのだという。

  今年は、暖冬の影響で、本来の季節が終わっても、まだ、輸入が続いている。
先週、たまたま、友人が何人か集めて誘ってくれたのを機会にご馳走になって、
本当に幸せな気分になった。

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