91.小沢征爾の「コジ・ファン・トゥッテ」

  びわこホールで小沢征爾さんによる「コジ・ファン・トウッテ」を観た。
このオペラは、カラヤンの推薦で小沢がザルツブルグで
オペラ初挑戦したときの演目だったが、
そのころのぎこちなさに比べてウィーン国立歌劇場の音楽監督になった現在の小沢は、
自分の掌のなかにオペラ全体を見事に入れるのに成功したと思う。

  私は存外、小沢を生で聴いたことは少なく、
1970年の大阪万博のときニューヨーク・フィルとのコンサート
(メンデルスゾーンの「イタリア」、武満の「ノーベンバーステップ」、
ムソグルスキーの「展覧会の絵」、バーンスタインの「キャンディード」)、
1981年にパリのオペラ座で「トスカ」と「フィデリオ」という3回だけで、
今度が20年ぶり4回目だが、余裕と音の完成度は格段に向上している。

  また、この比較的に小さめのホールが、モーツァルト向きであることも事実である
(本当を言えば、もう一回り小さいのが理想だが)。

  しかし、全体的に人工的な臭いが強いのが気にかかった。
私のみたこのオペラの最高の舞台は、ミラノのピッコロ座がストレーレルの演出で
何年間にもわたる連続講演、つまり、劇団四季のようなやり方でやったものである。
超一流の指揮者も歌手もいなかったが、徹底的に練られた演出は
一人一人の歌手や合唱団員の小さな動きまで透徹し、
早いテンポとあか抜けた色彩感覚がナポリの臭いを感じさせた。

  それに比べると、今回の講演での人の動きは鈍く、
ベスビオ山の書き割りはあっても、南国の明るさと影は感じられなかったし、
18世紀人の感性も伝わらなかった。

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