197.同時多発テロ事件と中国の野心

  中国の唐外相がワシントンを訪問して、米国に協力するというものの、
具体的な内容は言明せず、安保理の了解を得ながら事を進めることを要求した。
おそらく台湾問題などについて、米国の政策に注文を付ける
取引材料にしたいのであろうが、諸刃の刃である。

  こうした場合に、あれこれ条件をつけすぎるのは、友好国らしいやり方ではない。
無条件である必要はないが、どの程度まで許されるか手加減が難しい。
中国の場合は、今回の問題においてパキスタンの友好国として
米国にかなり強い立場にあるから相当に強く出る気だろう。
日本の場合には間違ってもそんなまねをしないことだ。
中国のようにはこの問題について米国に対してカードをもっていないのであり、
同盟国としての誠意こそが問われる。

  中国があれやこれや注文を付けるのは日本にとっても頭痛の種だが、
米国に中国と日本の差を認識させるチャンスでもある。

  それから、テレビで「日本はアラブと米国の中間にあるという立場を生かして」などと
寝ぼけたことをいっていたコメンテーターがいたが、
「日本が西側陣営の中では相対的には親アラブだ」という現実と、
このコメンテーターがいうように「日本が米国とアラブの真ん中にいる」という
珍奇な認識の間には大きな違いがある。
願望としての世界認識と、好ましかろうが好ましくなかろうが
現実に日本がおかれている立場を混同すると大やけどをおうことになるだろう。

  また、この世界で米国とアフガンを仲介ができるほどの人材を
日本は育てても来なかったのに、急に張り切っても駄目だ。
それは猛省すべきだが、現実は急にかわらない。

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