204.経済再建こそ最大のテロ対策・
小沢一郎を誉める田原総一郎に疑問

  大阪の朝日放送の番組でテロ対策や自衛隊派遣新法の話をした。
そのなかで、世界経済の再建こそ、最大のテロ対策であるという話をした。

  今度のテロ事件がこれまでの同種の事件と根本的に違うのは、
被害者の人数でなく世界経済や政治の中枢が狙われたということである。
もし、たとえば、ヤンキースタジアムに飛行機が突っ込んで
同じ死傷者が出ていたとしても、世界がどうのこうのなるわけでない。
伊勢湾台風や阪神・神戸の震災も同じくらいの犠牲者だったが、
世界がひっくりかえったわけでない。

  ところが、今度のテロ事件の結果、日本ですら経済が大幅に悪化し、
失業者が数十万人単位で増えるだろう。
そして、経済の悪化はたとえば、日本の自殺者だけでも
何千人単位で増加させること必定である。
テロの犯人たちが狙ったのは、数千人の人命でなく、まさに、世界経済システムなのである。
だとすれば、世界経済がびくともしないということにまさるテロ対策はないということである。
あまり気づいていないところだが、これを強調しておきたい。

  日曜日のテレビで田原総一郎さんが小沢一郎さんを
「いちばん、今回の騒動で筋が通っている」と持ち上げていたが、賛成できない。
今回の対応の中で、小沢さんと土井さんは、いずれも、
「今回を例外は駄目」というポジションである。
だから、土井さんは「自衛隊の派遣はいつものように駄目」といい、
小沢さんは「国連決議さえあればいつでもよいことにして
今回を最初の例にしよう」といっている。

  前にも書いたが、これは、法律家にありがちな
「木を見て森を見ず」というべき議論である。
法律家であるご両人にとっては、
普通の殺人事件も今回のテロも同じにしか見えないのだろう。
しかし、今回のテロは世界の政治経済システム、さらには文明の挑戦であり、
実際に危機に瀕しさせているのであって、普通の殺人事件と根本的に違うのだ。
それを田原さんあたりが筋が通っていると持ち上げるのはいかがなものか。
また、土井さんがいうように、リビアによる航空起爆は
事件の犯人を10年間かけて追いつめて捕まえたのだから
それと同じようにすれば良いというのも、おかしい。

  新たな国連決議については、あった方がよいとは思うが、
世界の大勢はそれを要求していない。
日本が孤立しても、それを必要だと固執できる立場かどうかは疑問である。
するなら、「あれば日本はよほどたいしたことをしてくれるのか」と厳しくいわれる。
小沢さんはそれなら自衛隊を戦場に出しましょうというのだろうが、
国民の多数はそれでは困るのではないか。
国連決議を要求する論理は、ハト派の顔をしているが、実際はタカ派の論理である。
小沢さんに同調するのはそういうことなのである。

  今回の自衛隊派遣新法について、北朝鮮は反対だが、
中国や韓国は慎重ながらも反対していない。
むしろ、「今回のテロ事件」は例外というポジションは守れるのかについて
懸念しているのである。
これは正しいと思う。
だから、日本は中国や韓国が積極的に反対するかどうかを
ひとつのメルクマールにすればよい。
彼らが反対しなければ、今回はできるだけのことをいた方がよいと思うということは
これまでも書いたとおりである。

  もし、反対するようだったら、米国にもそれなりに事情を理解してもらえるだろう。
というよりは、日本の支援を受けないように米国に要求するのなら、
彼らがそれに変わる支援を申し出ればよい。 

203.狂牛病・食文化を守ることが鍵   MENU   205.王貞治よ国民栄誉賞を
返上せよ
© 2001 Kazuo Yawata . All Rights Reserved.