336.「関西における空港の将来像と伊丹空港の廃止」
  関西における空港問題は混迷を深めているが、そもそも論に立ち戻っていえば、伊丹の騒音問題が深刻化するなかで、最善の解決策は、神戸沖に本格的国際空港を建設するとともに、それでは遠すぎる京都からも便利な滋賀県内あたりに第二空港を構想し、さらに和歌山県のためのローカル空港を置くということだったはずである。
 ところが、公害反対運動の高まりの中で神戸は神戸沖での空港案に反対を決めてしまった。そこで、泉州沖に関西空港が建設されることになった。一方、これと平行して滋賀県は県東部にびわこ空港を構想していた。この空港はのちに地元集落の反対運動でとん挫することになるが、そもそも京滋奈空港としては京都からやや遠すぎた。
 ところが、廃止されるはずの伊丹空港について地元が存続に傾き、神戸空港の構想も復活した。伊丹空港が存続することになれば京都中心部からはびわこ空港と伊丹空港への距離はほぼ同じで京都にとってはびわこ空港はあまり意味のない。神戸空港はあまりにも伊丹近い。
 この入り組んだ問題を解決するために伊丹の存続の是非を改めて議論すべきである。市街地に囲まれ、釜山と同じように近くに高い山がある伊丹空港を存続することには無理があるが、これをあえて存続するとすれば、三つの条件を地元が呑むべきだ。第一に、年間200億円にものぼる騒音対策費を大幅に削減することであり、第二に夜間の発着についても規制を大幅に緩和すべきだ。第三は、もし、市街地墜落事故が起きたとしてもそれを理由に廃止を求めないことの確約である。伊丹空港の危険度は高く、そうした事故は予見しうるものであって、かなりの確率で事故は起きる。それがいやなら最初から廃止する努力をすべきで、それをしないなら、たとえそれが現実になったとしても地元が廃止しろなどというべきでない。さらに第四の条件をいえば滑走路の増設であろう。
 そうした条件がすべて満たされるとすれば、コストが安く、夜間も使えて、事故が起きたとしても存続問題に発展せず、拡張可能性もあるわけで、存続を前提に京都や神戸からの交通インフラ整備などを徹底的にやり、関西空港と伊丹空港の二空港体制を構築すればよい。ただ、こうした条件が満たされることは難しく、つまるところは、騒音対策のために膨大な国費を使い、午後九時以降は使えず、いつ地元が存続に難色を示すか分からず、拡張可能性もない空港に近畿の北半分が頼っているのである。
 そうなら、私は伊丹空港の廃止を前提に、基幹空港としての関西空港のほかに、神戸空港と、できることならより京都から便利な位置に再構想された新京滋奈空港の三空港体制を組み、伊丹空港跡地の売却代金を三空港につぎ込むべきでないかと思うのである。

335.今年は残念ながらジャイアンツ優勝だと思う理由

MENU

337.5月のホームページ京都の予定

© 2001 Kazuo Yawata . All Rights Reserved.