341.阿南大使の発言について
  
  阿南大使が中国に越境している北朝鮮の関係者を大使館内にできるだけ入れないようにしろと指示していたということが問題になっている。
 この問題については、一昨日も書いたが、在中国の日本公館が越境者が公館に逃げ込んで来やすいようにすべきかということをきちんと考えなくてはならない。やはり入って来てしまったらどうするかはともかく、できれば来て欲しくないという姿勢であることがあながち間違いだとは思えない。その意味では阿南大使の示したという方向が根本的に間違っているというならワイドショー的な感情論でなく体系的な政策が今どうなっていて、そのなかで大使の発言はそれを逸脱したものだったのか(いまの政策に沿ったものだったら個別判断として疑問があっても大使個人は非難される筋合いはない)、そして、今回の発言の当否はともかくとして、あるべき政策体系は何かを提示すべきであろう。
 だいたい、日本国内に政治亡命を受け入れることは拒否しておきながら、公館に亡命者を積極的に受け入れ、かつ、駐在国に迷惑をかけながら第三国への出国を強要するなどという政策体系がありうるのかといえば、そんな非論理的なものはあいえない。
 また、一般論として日本が亡命受入をもっと積極的に行うことには大賛成だが、日本と韓国・朝鮮と中国の微妙な歴史の経緯と、どのような北朝鮮の人たちが中国にどのような状態で在留しているかを考えれば、積極的な受け入れは朝鮮半島の雪解けにマイナスの影響を及ぼす可能性がないかよく考えるべきであろう。
 そのあたりを総合的に考えると、外交公館へ越境者が駆け込むことについては深刻な政治的圧迫を受けているような人物でもない限りはできるだけ避ける、ただし、駆け込んだ場合には第三国出国を中国側に要請する、ただし、日本国内に親族などがいるような場合について例外を検討するというのが妥当なのではないか。
 
 ただ、こうした問題とは別に、大使の館内での発言が簡単に漏れるようでは、もはや外交は機能不全とししかいいようがない。内部指示をすべて即刻明らかにしなくてはならないような状態で外交ができるのか。伏魔殿にしないために、たとえば、国会に秘密保持を条件とした監察機能をもたせるといったような、外交機密の保持と独走を防ぐこととの両立を可能とするシステムを考案すべきでないか。

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