423.小泉訪朝の予想通りの結果 
 小泉訪朝については、412回で「成功の条件」と題して書いた。とくに拉致問題については、「拉致問題については、今回の会談ですべての案件について最終決着に近い道筋をつけるつもりであることを両首脳に望みたい。何しろ、北朝鮮での栄養状態や医療事情はかなり悪そうであるから日本国内にいるように高い確率で長生きできるとは限らない。そういう意味でも、ここで話がこじれて数年が無駄に過ごされることはなんとしても避けたい。その意味で小泉首相には有本さん一人の安否が分かるというようなことでなく、すべての案件についての道筋まで付けることに全力を注いで欲しい。ただ、そのためにも、殺害などで亡くなっている方がおられるといった不幸な事実が判明したときにも日本が冷静な反応をすることの保証を与えることが不可欠である」と書いておいたが、だいたい私の予想通りの展開であるし、こうしたラインで話し合いが進められたことを高く評価したい。
 何人もの人たちが亡くなっていたのは痛恨の極みだが、それを明らかにして日朝関係の棘を抜いたことを評価すべきであろう。テレビコメンテーターたちは、亡くなっていた方がおられることを「意外」と誰もがしていたが、全員が元気に帰国などということはまずないというのが当然で、こういうなんとも見通しの悪いところをみると大衆迎合のテレビ芸者には評論が面をやめて欲しいとでもいいたくなる。
 テレビでは拉致議連の人たちに囲まれて家族の人たちがもっと強硬に対処しておけばこういうことにはならなかったと「いわされている」が、北朝鮮が10年前に柔軟な対応をしたとも思えず、戦争でもすべきだったとでもいうのだろうか。むしろ、強硬派の売名行為的な行動が悪い結果を招いた可能性も強いのではないか。評判の悪かった「第三国発見方式」などこそ現実的な対応だったのでないか。
 また、家族と議連の記者会見を首相の記者会見の前にやらせたのは、まったく、悪い手際としたとしかいうよりほかない。これでは、日朝和解のために行ったはずが、逆に反朝鮮感情をあおり立てて今後の建設的な関係構築が難しくなるだろう。
 見通しが悪いのは、朝鮮総連なども同じで、拉致事件の結末について、両国の不正な関係の時代の出来事などと説明しているが、これでは関係金融機関への資金投入など難しくなる。
 私としては、金正日総書記の英断を高く評価したいし、これを前向きに受け止めることがアジアの平和につながると思うが。
 

422.小泉訪朝の成否を図るのは有本さんではない

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424.韓国の拉致被害者と真相究明

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