432.伊丹空港の廃止と京滋奈三空港の必要性
 政府調査団による報告については、かなりリアリティは高いが、死因などについては一部、隠されている可能性も高いといったところだろう。ただし、横田さんらが生きているという元工作員の証言については、信用性は薄く、あまり重視するわけにはいかなさそうである。日本のマスコミが喜びそうなようにいえば「金になる」と分かって発言している臭いがする。もちろん、可能性はゼロではないのでかすかでも希望を持ち続けるべきではあろう。
  多くの人が若死にした背景としては、衛生状態や医療体制の悪さも考えられる。たとえ殺されなくても、特別待遇を受けられなくなったり、あるいは懲罰的な待遇に落とされたりした場合、事故や病気でなくなる確立が大きくなるのは当然で、殺されたわけはないが殺されたようなものということも大いにあり得るだろう。
 ただし、結局は闇の中であるし、いま、無理押しをしてもやっぱり違いましたとはいいにくいのも現実である。「納得がいかない」と圧力をかけ続けるべきだが、それを国交交渉と絡めるのは得策ではない。ひとつには、アジアの平和のために日朝の和解が不可欠であること、第二に韓国などの拉致問題への影響、そして第三には、国交を回復して北朝鮮を開放に向かわせることが何より真実を明らかにし、万が一、生存者がいる場合に発見できる可能性を少しでも高められるからである。さらにあまり拙速な真相究明、処罰は北朝鮮の体制を不安定にして下手をすると後戻りさせる可能性もないわけでもない。北朝鮮も一枚岩ではないし、金正日の決断に対する抵抗も大きいからである。
 もし、北朝鮮の説明が嘘なら、あとは内部告発がもっとも真実を明らかにする有効な手段であって、そのためには対外開放が不可欠なのである。また、厳罰を要求することが行きすぎると真実を明らかにするハードルを高くすることになりかねない。むしろ、現在の説明がよく調べたら嘘であったといいやすい環境をつくることが真相究明と生存者がいた場合の発見につながると思う。あまり厳しく言い過ぎると、知られざる拉致被害者がいる可能性も含めて生存者が消されてしまうことにつながりかねない。とくに末端はそういう行動に出る可能性が高い。交渉は積み重ねであり、拙速さはやはり慎むべきである。ナチの蛮行でもそうだが、真実は何十年もたって明らかにされることも多いし、それもある程度はしかたないところがある。たとえば、米国が原爆を投下するにいたった内幕でも、今だもって謎が多く、それが一枚一枚ベールをはがされていているのである。すべての真相が明らかにされるまで米国とは国交を持たないというべきといった主張が現実性を持たないのと同じことを対朝関係でもいえる。あるいは日本が開戦にいたったなかで昭和天皇がどのような役割を果たしたかなどとことん究明するといったことを日本政府はやる気などないはずだし、多くの日本人もそれを望まないであろう。あるいは戦争中の日本軍の行動について兵隊さん個人個人の戦争法規違反を徹底的に洗い出したりしたら日本中大混乱になる。せいぜい、従軍慰安婦のことでも日本の国全体としてふわっと謝ろうというだけではないか。
 私も北朝鮮が事故死といわれているうち何人かを粛正した可能性は大きいとみるが、真相究明にはもう少し時間がかかっても仕方ないというのがグローバルスタンダードからみた常識だと思っているということだ。CIAや欧州諸国の諜報機関の活動でもかなり暗黒面があるのであり、北朝鮮にだけ急に一点の曇りもない対応を求めるのには戦争をしたいならともかくやはり摩擦が大きすぎるのでないか。
 
 しかし、それにしても、テレビなどの報道ぶりは横田さん、有本さんとそのほかの方々を差別しているのにはうんざりである。きょうの報道でも「遺骨は横田さんでも有本さんでもない」などというタイトルが使われていた(残念でしたということか)。マスコミ的にこの二人がご両親のプレゼンテーション能力も含めて話題にしやすいからなのだが、もし、生きておられたのがこの二人だったらマスコミはまったく違った反応をしていただろうなどと憶測したくなる。口下手な庶民は人間としてその他大勢なのであろうか。先に小泉新内閣がほとんど東大、慶応、早大だけで構成されているということを書いたが、人間は皆平等である価値観が崩れていっているのでないかと思い憂鬱なことである。

431.小泉訪朝をめぐる週刊誌の混乱

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433.北朝鮮の拉致事件説明についての評価

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