4.北九州ルネサンス
  循環型産業都市モデルをめざす「エコタウン構想」などで注目を浴びている
北九州に行って来た。環境を重視した都市づくりは誰もがいうが、
末吉興一市長のもとでの試みは、地に足がついた試みとして評価が高い。  

  北九州をめぐる経済環境は決してよいものではない。
なにしろ、この都市が勃興し、大都市になった基礎条件が崩れているのだ。
筑豊の産炭地域はエネルギー革命で衰退し、鉄鋼など重厚長大型産業も
産業構造の変化でピークを過ぎた。
しかも、対岸の下関ともども担っていた朝鮮半島との窓口としての役割も
航空機の時代になって小さくなった。
しかも全国的にブロック中心都市を育てようという国土政策が展開された結果、
九州では福岡市の一人がちになってしまった。  

  ブロック重視の国土政策は、鉄道の時代には鹿児島本線と日豊本線という
東西の海岸を通る幹線が主軸であり、北九州が交通の接点だったのを、
高速道路については、福岡から熊本を通って鹿児島や宮崎に向かう南北縦貫道と
長崎から佐賀を経て大分に向かう東西横断道路を久留米付近で
交差させるという形に変更し、このことで、北九州は交通の要所としての位置づけを失った。
また、いろいろなイベントや施設整備も九州という枠組みで行われると
北九州の出番は少なくなる。  

  そこで、九州に限らず、ブロック中央部の一人勝ちを回避するためには、
ブロックを超えたインターブロック的発想を推奨したい。
全国を二分割だと関東と関西ということになるのだが、
もっと、戦略的に全国三分割、四分割、五分割といった考え方を地域会社の設立、
施設整備、イベントの開催に適用するとよい。
三分割なら、西日本、本州中央部、東日本になるだろうし、
四分割だとそれに北日本も加わる。
そうすれば、北九州だけでなく、函館や青森、あるいは名古屋と大阪の間にある
京都、奈良、三重、滋賀なども新しい可能性を開くだろう。  

  北九州にはすでに、西日本総合展示場などというのが小倉駅前にあって九州だけでなく
中国地方なども視野に入れた事業展開をしているが、
「西日本といえば北九州」というくらいのイメージづくりと、
「全国で三つか四つ」あれば十分なものは何かをもっと考えるといいのではないか。
かつて、北九州市が誕生したときに、もうひとつの候補は「西京市」だった。
このときは、西京とは京都のことでないかというのでやめになったのだが、
気持ちとしてはそのほうがよかったのでないか。
九州の北端でなく西日本の真ん中ということからこの都市のルネサンスがあるのでないか。

  大陸との窓口ということでは、関釜フェリーも博多への高速船に押されて
もうひとつ元気がない。
そこで、ふたつ提案したい。
ひとつは、関門大橋のイメージチェンジである。
このごろ、景観への配慮とかで巨大橋は淡い緑やクリーム色に塗ることが流行だが、
どうしても印象が薄い。
明石大橋でもサンフランシスコの真っ赤な金門橋のような存在感がない。
むしろ、もっと、思い切った色に塗った方が新しい景観創造が可能になろう。
それから、この海峡は歴史的に大陸から日本への入り口だったのだから、
「大日本之門(グレート・ジャパン・ゲート)」とでも名付けて看板でもかけると面白い。
「日本ここに始まる」といった看板もいいかもしれない。  

  それから、意外に知られていないが小倉駅は海のすぐ側である。
それなら、韓国からの連絡船を小倉港に入れて、新幹線に直結させれば
いろんな需要があるのでないか。幸か不幸か福岡も下関も新幹線の駅と港が離れている。 
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