13.石原新税構想は首都としての使命放棄

  東京都の税制調査会が、首都高速道路を走るトラックから
一回につき600円を徴収するとか、ホテルで一泊10000円以上になると100円取る、
あるいは、近隣県からの通勤者にも負担をとかといった新税構想を検討している。
マスコミでは環境対策として有効とか、
地方の時代にふさわしいといった賛成論も強いようだが、容認できない。
こんな馬鹿な独自課税がまかり通るとしたら、
地方独自の課税権という仕組みそのものへの信頼性がなくなってしまうだろう。
とくに、いくつかの構想は、首都として逃げ場なく東京に泊まったり
通過せざるを得ないことにつけこんだ悪代官的な発想といえる。

  東京は首都であるから、人々はやむをえず、東京へ行き、
そこに泊まらなければならないことも多い。
それに税金を取るという発想はいかがなものであろうか。
あるいは、職場は郊外で働くのは東京というのは税収のうえで
どちらが得をしているのだろうか。
普通には職場がある方であろう。
今度は逆に、近隣府県が、東京に通勤通学することに税金をかけたらどうするのか。

  トラックについていえば、日本の高速道路は、
東京から放射線状に整備され、東海道方面から北関東や東北へ向かうためには、
いったん、首都高速道路を通過せざるを得ないようになっている。
こうした高速道路整備は、東京一極集中型の国土こそ
合理的という哲学に基づいて構想された。
その後、東京の西の郊外を大回りする高速道路が計画されたが、
環境破壊につながるということでストップしたままである。
つまり、本当は渋滞が激しい東京都心を通りたくないにもかかわらず、
都心を迂回する道路は都民の反対で建設できず、
やむをえず都心を通ろうとすれば特別税をとられる。
これを悪代官とそこにパラサイトする都民の我がままといわずして何であろうか。

  しかも、集めた税は東京ナンバーのトラックの排ガス浄化装置取り付けに
使おうという身勝手ぶりである。
こんなことが許されるなら、たとえば、私の住む滋賀県でも、
通過車両からの税収を考えるかもしれない。
もっとも、高速道路から一般道路に移られては、かえって県民の安全にかかわるから、
「県内を走るトラックは特別の許可証を貼る必要があって、
それは、一年につき10000円である」とでもしてもよい。
つまり、毎日走ろうが、一回切りであろうが同じである。
そして、この税金の一部は、県ナンバーのトラックや県内の事業所の仕事をしている車の
排ガス対策として、一台あたり相当額を還付するとでもすれば
県内業者はいたくもかゆくもなく、通過車両だけから税収を得ることもできるだろう。
石原新税構想は、このような際限のない報復合戦に発展する可能性も持っている。

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