18.児童手当拡充は少子化対策とはいえない

  自公両党で対立していた児童手当拡充をめぐる議論がとりあえずまとまった。
だが、少子化を阻止するためという大義名分とはあまり関係のない不毛の論争
だったのではないか。

  公明党はかねてから所得制限で27.5%の家庭が排除されている
児童手当の支給を拡充するべきだとしてきた。
その財源として、公明党は、児童扶養控除の削減か高所得高齢者の
年金受給に対する課税の強化で対処すべきとしてきた。
それに対して、自民党は、やるとすれば、一般支出、
とくにほかの福祉施策の削減で対応と主張した。

  結局、来年度は、支給対象を85%くらいまで拡大し、財源はとりあえず、
支出削減でとするが、来年以降は、税制での対応を行うということで手打ちが行われた。

  少子化対策が、日本にとって最大の課題であることは間違いない。
しかし、そうであればこそ、対策は少子化に実効的な歯止めをかけるものでなくてはなるまい。
そうだとすれば、これから子供の出生を増加させることに役立つ施策が必要で、
すでに生まれた子供を優遇しても仕方ないのである。
むしろ、発想としては、これから生まれる子供ばかり優遇すると、
不公平なので、いまの子供にもなにがしかの優遇策が必要ということであろう。
その意味で、すでに、生まれている子供への児童手当増額そのものは
少子化対策には何もならない。
単なるバラマキ施策に少子化対策という理屈をあとづけしただけであろう。

  ただ、長期的な視点として児童手当の増額を図るというのは大賛成である。
ただ、どこから財源を持ってくるかといえば、理屈としては、
子供のない同世代の階層からとるべきであろう。
少子化の原因はいろいろあるが、経済的な理由も大きい。
昔なら、子供を持てば、幼くしてはお手伝い、長ずれば仕送り、
そして最後には老後を見てもらえた。
ところが、最近では、どれも期待できない。
となれば、子供を持とうが持たなかろうが子育ての費用を社会的にみることに
公的に負担を求められるとするのが一番よい。

  別の言い方をすれば、子供がない方が豊かな生活ができるという状態が
現実にあることが問題なのだ。
その意味で、児童扶養控除の削減は不可解である。
また、高所得高齢者への課税強化も、その当否は別としてリンクすべき問題ではなかろう。
世代間の不公平の解消も大事だが、それは少子化対策とは別問題である。

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