38.省庁再編と市町村合併

  省庁再編と市町村合併と関係なさそうで、実はおおありなのだ。
これまで、霞ヶ関からすれば、自分たちがたいした行革をしていないのに
地方自治体は合併というのは少しいいにくかった。
それが、内容はともかく、総務庁+自治省+郵政省=総務省とか、
建設省+運輸省+国土庁+北海道開発庁=国土交通省といったように
大組織変革したつもりになると、市町村合併も厳しく指導することに躊躇しないと思うのだ。

  先週は、長崎に「省庁再編と市町村」というタイトルの講演に行って来た。
以下は、そのときのレジメを少し一般向けにつくりなおしたものである

        「省庁再編・市町村合併など行革新潮流と地方の生きる道」

1.省庁再編の背景と課題

  規制緩和、行政改革、地方分権を進めた橋本内閣では、
本格的な首都機能移転ののちに省庁再編をやるはずだった。
ところが、省庁再編の先延ばしでないかとの声に押されて
省庁再編も2001年からやることになった。
再編が中途半端に、首都機能移転や抜本的な地方分権もあいまいになったことは
当然の結果でもある。

  しかし、不十分だとしても、各省庁が栄枯不変でないということを
明らかにしたことには大きな意義がある。
今後の行革の第一歩として意味のあるものにしなくてはならない。
その意味で、今回の省庁再編の本当の評価は、これから、
より大胆な中央省庁のリストラや地方分権が進められるかにかかっている。

2.省庁再編の具体的な内容

  1府23省庁から1府13省庁に削減。大臣職務分担の変化(「担当大臣」の出現)、
内閣機能の強化、副大臣制度の創設などが行われた。
しかし、複数の省庁で再編成されたところでは、かえって、内部組織は手つかず、
一方、通産省=経済産業省に代表される省庁がそのまま存続したところでは
内部は大改革という皮肉な結果になった。

2.国土交通省について

  全公共事業の八割を占める巨大省庁となった。
また、地方組織は港湾局が建設局にくっついて地方整備局に。
建設局長(技官)が局長に(九州は別)。
ある意味で、道州制的な方向が強まる。
この新しい役所とどう付き合うかは、これからの地方自治体にとって大きな課題である。

3.政治主導は実現するか

  副大臣の創設、内閣の機能強化の結果、ある意味で大臣の権限は低下する。
新しい族議員と首相官邸、それに、官僚の間の綱引きで
政策決定が行われるようになるだろう。
大臣はよほどの大物でない限り、機能は低下する。

4.市町村合併に大きな影響

  市町村への影響としては、「国も大改革したのだから地方も血を出せ」という論議が強まる。
70000(江戸時代のムラ)→10000(明治の市町村・小学校創設)
→3000(戦後の市町村・新制中学創設)→?。
道州制の議論。

5.地方切り捨て進行へ警戒を

 2000年国勢調査の結果、ふたたび東京一極集中が大きな流れが明らかになった。
とくに、西日本は厳しい状況。
永田町・霞ヶ関がより大都市住民の利益を重視する傾向が出ている。
公共事業の今後についても含めて、地方の利益をどう確保するかを考える
(公共事業とソフト面での利用促進策を組み合わせることで
地方の公共事業も採算がとれるものに)。
新幹線・空港・高速道路は地域ミニマムという位置づけをするべきである。

6.国が当てにできない時代の地方経営

  「国が当てにできない時代」において、市町村が自分たちでできることが何かを考える。
従来の組織では拾えない人たちの意見をどう採り入れるか。
女性に嫌われる地域に未来はない。
NPOと情報化の地域にとってもつ現実的な意味。
環境対策は楽しみながら進めることが重要。
住民投票をどう活用するか。
アウトソーシングより内部化がさしあたっては有利ではないか・・・などの問題提起を行う。

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