50.全国画一が地方を発展させる?

  地域づくりの話題になると、すぐに「地域の個性」とか「独自性」が強調され、
東京と同じではだめだといわれる。
しかし、本当にそう割り切ってよいのだろうか。
私は、地域ごとの個性も必要だが、それぞれの地域内での多様な選択の自由も必要だし、
全国どこでも同じ選択ができる利便性もあった方がよいと思う。

  たとえば、教育を考えると地方分権も結構だが、その結果、
都道府県によってはおそろしく画一的な教育サービスしか選択できないところが多い。
あるいは、県内の中学に早い学年から移らないと
公立高校受験の際に不利に扱われるといった苦情も多い。

  全国どこでも同じものがあるというのは、とても大きな安心感を与える。
コンビニやファーストフードなどそうである。
ローソンやセブンイレブンのお陰で全国津々裏々どこでも一定水準の生活が保障されたし、
旅行していても実に安心である。
チェーンごとに個性があるから限られた範囲ではあるが選択の自由が確保される。

  日本だけでなく世界を旅行していてマクドナルドの存在も実に便利である。
私自身は現地食主義だが、パリやローマのようなグルメの国を旅行していても、
観光に時間と頭を使いたいので食事はいつも慣れているものをという人も多い。

  とくに教育については、転校がもっと円滑にできるためにも、
全国に同じような学校があるとよいと思う。
カリキュラムが同じということであり、もうひとつにはどんな時期でも
転入できるということである。

  世界の外交官の世界でフランス人学校というのはたいへん人気がある。
それは、世界中どこでもほぼ同じものがあるからである。
あるいは、昔は師範学校の付属小学校は役人や軍人など転勤族にとって
まことに便利な存在だった。

  いま単身赴任が多い最大の理由は学校の問題であり、
それが家庭の崩壊をもたらしているし、お父さんは全国を転勤するが
妻子は東京を離れないという現実をもたらしている。
とくにホワイトカラーにとって深刻である。
教育というサービス分野で供給者本位の勝手がまかりとおり、
転校を難しくさせているからである。

  そこで、たとえば、全国四七都道府県に幼稚園から高校まで一貫制のチェーンができて、
そこでは同じ教育内容で同じスピードで制服なども同じものができればどんな便利だろうか。
もちろん、いつでも転校自由である。
しかも、そうしたチェーンが何種類かあって競争してくれるとよい。
実際に自由競争の世界である予備校や語学学校はそうなっている。

  電力会社とか、航空会社あたりがイニシアティブをとると面白いと思う。

  今回は教育の問題を取り上げたが、地域ミニマムのような考え方で、
ブロックごと、あるいは都道府県ごとに都会的、文化的な生活を保証する施設や
ソフト面での仕組みがいろんな分野であるべきだと思う。
とくに女性が評価するものを強化すべきだ。
東京の生活は男にとっては欠点も多いが、女性にとってはなかなか快適であるし、
地方にはとくに意識の高い女性にとってもの足らない部分が多すぎる。
東京に対抗するためには個性もだいじだが、東京と同じものがあることも必要だし、
むしろそれがより強い本音ではないか。
もちろん、それが、東京発でなくとも大阪発でも札幌発でもよい。
電力会社でイニシアティブをとりやすい分野だと思うし、研究して欲しい。

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