132.交通事故厳罰化に疑問

  交通事故の厳罰化に向けての動きが急である。
たとえば、酒酔い事故で死亡させたときには
懲役10年という殺人なみの刑罰にするつもりらしい。
あるいは、東京都の条例で痴漢を懲役にするといったことにも動いている。

  刑罰を重くすることには世論は常に賛成する傾向があるが、疑問である。
一般的にいって、刑罰が重い国では犯罪が減るということはない。
むしろ、刑罰を受けることに対するアレルギーや罪悪感がなくなるとかいうこともある。

  その一方、ある種の犯罪に対する刑罰を重くすれば、その犯罪は減る。
逆にいえば、ある犯罪の罰を厳しくすれば、ほかの犯罪を増やすということだ。
だから、たとえば、交通事故での傷害致死の刑罰を重くすれば、
殺人の量刑が相対的に軽いものに感じられるようになるから
殺人は増えるということになる。

  昨今、交通事故や痴漢だけでなく、企業犯罪、汚職なども含めて、
何か問題が起きると量刑を重くしようという傾向があるが無責任である。

  まず、全体として厳罰化にするかどうかを議論し、
今度は、そのなかで、ポイント制にでもして、
個々の罪の量刑のバランスを議論すべきであろう。
個別の罪ごとに議論するとどうしても安易な厳罰化に走る。

131.優秀な女の子と進学   MENU   133.マイホームを買わずに株を買え?
© 2001 Kazuo Yawata . All Rights Reserved.