172.勲章を売ることをあえて提案

  日銀が銀行保有国債の買い上げによるいっそうの金融緩和に踏み切ったことは、
市場に安心感を与える姿勢としては歓迎する。

  しかし、何度も繰り返していることだが、
金融政策も不良債権対策も規制緩和も本質的な問題ではない。
経済成長を促す根本的な精神の発露と、思い切った政策が必要なのである。

  呑気に靖国神社で揺れる政治を茶化すためでもないが、
あえて、勲章を売ることを提案する。

  目下、いちばん、必要なことは、使い道がないのに
お金を持っている人の資産をどう有効活用するかである。
いちばんよいのは、喜んで国庫にお金を出してくれることである。
なにより、直接的な効果があるのは、寄付をしていただくことである。

  いま財政の危機を救うために多額の寄付をすることほど、
日本の国に貢献することなどないではないか。
社会事業などへの寄付もいいが、そんなことより、
国に使途指定なしにくふいただくほうがよい。
ならば、勲一等は100億円とか、六等は一億円とかくらいで寄付を仰いではどうか。
最高裁の判事や大臣をつとめるより100億円でも国庫に寄付していただく方が、
今の時代にはよほど価値がある。

  また、高額納税者をもっと、社会的に称揚することも大事である。
いまは、たくさん納税しても長者番付で公表されて不愉快な思いをするだけである。
高額納税者に国として感謝状を出すとか、宮中晩餐会にでも呼ぶとかしてはどうか。
もちろん、勲章にも反映する。

  文化財の修理なども、民間の資金をもっと導入できないか。
ベルサイユ宮殿など寄付をすれば晩餐会をさせてくれるし(三越が本当にやった)、
システィナ礼拝堂のミケランジェロの修復も
日本のテレビ局が寄付して独占番組をつくっていた。
寄付金を条件に公共の所有にかかる文化財を貸し出すとか、
イベント開催を認めるとかしてのよい。
別に修理代に限らず、貸し出しはいろいろできる。
たとえば、重要文化財の茶碗を茶会に貸すとか、絵画などを会社に飾るのに貸すとか、
月見の宴をお城の天守閣でやらせるとかやればよいのだ。

  増税するとか徴税強化するより、こうしたことのほうがよほどよい。

  こういう話をすると、はしたないと感じる人もいるだろう。
しかし、だからこそ、こうしたことをやるべきなのだ。
いまの日本経済は苦しい。とくに国庫は苦しい。
なりふり構っておれるときでないのだ。
かつて、ビートルズに輸出功労を理由に勲章を出したら、
大批判の声が起こって、自分の勲章を返還する人までいた。

  しかし、政府は強行した。
むしろ、そうすることによって、古い価値観や経済の苦況への甘い考えを粉砕したのだ。
いま、日本もそういう時代にいるのだ。

171.『大国フランスの不思議』
という本
  MENU   173.フィリピンの人口増加防止策と
日本の少子化対策
© 2001 Kazuo Yawata . All Rights Reserved.