408.宮津は天橋立にこだわるべし
  8月19日付けで書いた丹後のシンポジウムの続報である。何年か前に台湾を旅行した際に雪舟の天橋立図をあしらったクリスマスカードを発見。中国人が描いた水墨画も数多あるのに雪舟のこの画が採用されていることに少々驚いた。思うに、もちろん、雪舟の画の見事さが中国人からみても市場屈指のものであると言うことだろうが、天橋立というものについても中国人から見て感動的な風景ということなのだろう。
 そこで思い起こすのは、天橋立が浙江省杭州にある西湖蘇東坡堤に似ていてて、それをもっとダイナミックにした感があるということだ。杭州はかつての南宋の都だった「臨安」である。ただし南宋では本来の首都は中原にある開封であって、満州族によって建国されてやむをえず江南に雌伏していたということで、臨安も正式の首都でない臨時の行在所という意味の命名である。
 この杭州は日本人にも人気の景勝地ではあるが中国での人気はそれ以上で迎賓館もありニクソン・毛沢東会談もここで行われた。私も上海に仕事で行ったときの休日、現地駐在の同僚に車で連れていってもらった。
 西湖は手こぎの小舟で一時間ほどの遊覧を楽しむのだが、蘇東坡堤は大詩人蘇東坡がここの知事をしていたときに建設したもので、水墨画などの題材として知られ日本でもあちこちの庭園で模されている。新しいところでは、浜大津港の堤防もここのイメージの借用と聞く。
 天橋立はその風景をより大きなスケールで、しかも、自然の力で創り上げたのだから中国人には絶対に評価されるだろうと信じる。これから日本も産業の競争力が落ちる中で国際観光に力を入れて行くべきである。その場合のターゲットはやはりアジア、とくに中国人である。そんなときに、天橋立はうまく整備すればかなり有望なのではないかと思うのである。
 伝統的な観光地にこだわっては駄目というが、日本三景の中で天橋立は宮島や松島に比べて迫力がないわけでもないのに出遅れているのは、交通の便の悪さもあるが、やはり工夫が足りないということだろう。丹後について天橋立だけでなくいろいろな可能性を探るのはいいことだが、やはり主軸として天橋立へのこだわりをもっと持って良いのではないだろうか。もっと目立つ五重塔とかがあってもよいし、雪舟の画については陶版画か何かで見せたいところだ。

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